11 23 土曜日
本場開門時間10:00
  • 本場
    にっぽん未来プロジェクト競走in福岡
  • 場外
    SG下関 SG   GⅢ常滑 GⅢ   芦屋 一般   
ペラボート福岡開場時間10:00
  • 外向発売
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選手クローズアップ

歓喜の新春福岡V

思い切り笑って、思い切り泣いて。そんな人生なら素晴らしい。この年末年始は喜びと悲しみが続けて訪れる濃密な時間になった。悲嘆に暮れたのは大みそか。クイーンズクライマックスシリーズ優勝戦は期待を集めた1号艇で敗れ、泣き崩れた。「この経験があったからって、後から言えるようにしたい」。落胆から回復し、そう話したのもつかの間。年明けには満開の笑顔がはじけた。地元強豪のそろう福岡正月戦で見事に優勝。「(優勝賞金の)150万円を取りに行きます」。戦前の強気な言葉を現実にする、今年最高のスタートとなった。
明るく活発で感情表現豊かな女の子。レーサー渡邉優美にはそんな形容がふさわしい。だが元々は人見知りでしゃべるのも苦手な女の子だった。変化をもたらしたのが選手養成の1年間。「親には、やまと(現養成所)に行く前と後で別人になって帰ってきたって言われました」。あいさつもうまくできなかった少女は、立派なプロ選手へと変身した。

コツコツ積み上げる努力家

それから14年が経過し、今や福岡期待の女子選手へと成長。だがここまでトントン拍子だったわけではない。デビュー7年目に初A1と初優勝を経験するが、その後はB級にも陥落。伸び悩んだ時期もある。それでもその間、ひたむきな努力を欠かさなかった。「そんなにうまくいく世界ではないけど、努力するだけ結果につながる」。一昨年にはレディースチャンピオン、クイーンズクライマックスと女子GⅠ連続優出。勝率も7点台に乗せ、一気にブレイクした。「特別なことはしてないし、積み重ねてきたことの結果がたまたま出た。それまでの努力が実ったんだと思います」。
彼女が自身を振り返る時、度々出てきたのが「コツコツタイプ」という言葉。「スター性がある(大山)千広チャンみたいに、一気にはできない。私はコツコツ積み重ねていくタイプなので。ただ、積み上げてきたものは崩れることもない」。冷静な自己分析とともに、これまでの歩みに対する自信と自負が言葉ににじむ。

インパクトのあるレーサーへ

ひたむきな努力を支えるのは将来の大きな目標だ。「SGに行ってそこで活躍できる選手になる」。彼女の言動には、先を見据えた視線を感じることがある。「今年の目標は女子の一番になること。ただそれは通過点と思ってます」。女子のGⅠタイトルは大きな目標だが、それはSGへの一過程でもある。「結果だけでなく、インパクトのあるレースをしたい。内容にもこだわりたい」とファンへのアピールを意識すれば、「8点台の勝率を取りたい。そうすれば記念にも呼んでもらえると思う」とGⅠ出場も模索する。堅実に積み上げた力で、追い求めるのは強烈な内容。そんな姿も大きな魅力だ。
福岡で行われる正月、ゴールデンウィーク、お盆の3大特選。女子の優勝は大山千広に続いて2人目だった。スター性のある後輩に一つ肩を並べたことになる。目指す目的地はまだまだ先。その大きな目標に向かって、これからも一歩一歩突き進んでいく。