想像以上に早くA1へ。それでも驕りはない
今年の5月でボートレーサー人生13年目を迎えた。16期連続でA級をキープし、近況は6期連続でA1を確保。2021年後期勝率は19年前期の自己最高7.21に次ぐ7.05の数字を残した。「(デビューして)もう少し苦戦するかと思った。A1は雲の上だと思ってましたからね。想像以上に早くA1級になれた」。それでも一喜一憂することはない。常に全力を尽くすのが竹井の持ち味だ。
「身近にライバルが多いからこそ強くなれる」
福岡は全国でも屈指の強豪レーサーが集う支部。それは女子選手も例外ではない。グレートマザー・日高逸子をはじめ、第5回レディースオールスターを制した小野生奈、近況メキメキと力を付けている渡邉優美に、ボート界のニューヒロイン・大山千広など。刺激を受ける存在は常に身近にいる。「同じ節を走らせてもらうことも多いですしね。節に1回はペラの情報交換もします。もちろん、ペラを真似することはないですよ(笑い)。これからも切磋琢磨していければいいですね」。ライバルからの刺激がパワーの源になっている。
賞金よりも1走1走の積み重ねが大事
今年はここまで9優出2Vと夏場、冬場を問わず安定した成績を残している。現在、女子賞金ランク9位(9月5日時点)。クイーンズクライマックスはデビューの地・地元福岡で開催され、さぞかし気合十分かと思いきやその答えは意外なものだった。「正直意識してないです。あまり賞金のことは気にしてないんですよね。1走1走結果を出すだけだと思ってます」。では、竹井のモチベーションは一体何なのか。「まずは優勝戦に乗ること…、いや、その前に準優をいい枠で乗ることですね。どの節でもその気持ちは変わらない」ときっぱり言い切った。1走入魂で結果を出し続ける。その積み重ねが年末の大一番へつながることを彼女自身が一番良く分かっている。
全国屈指の難水面と知られる福岡についてはどう思っているのか。「うねりは嫌いだけど好きです(笑い)。うねった時は攻めに躊躇するけど、水面がいい時は攻めていける」。新エンジン1発目のお盆シリーズでは、見事に予選を4位でクリア。惜しくも優勝戦進出は逃したものの、男子選手相手にも負けないターン力を証明した。
真剣勝負の世界に生きるからこそオンとオフの切り替えが大切
常に勝負の世界で気を張る一方、休みの日はどう過ごしているのか。「ボートは観ないし、ダラダラ(笑い)。あとは、体幹トレーニングになればと思ってホットヨガの教室に通ってます。美味しそうな店を探すのも好きだし、別府はよく車で行きますよ。温泉に入って癒やされます」。気になる減量に関しては、「その間に体重は増えるけど、減量は苦じゃない。寝るとすぐ痩せるんですよね」と意に介さなかった。オンとオフをきっちり切り替えて毎節レースに挑んでいる。
「現状に満足はしていない。まだまだ伸び代は十分ある」
今後の目標を尋ねたが、竹井らしい言葉が返ってきた。「目標は立てないです。んー、強いて言えばその節、その節を優勝することですね」と答えは常に一貫している。大きな目標より目の前の1走に集中することが、これまでもこれからも変わらない“竹井スタイル”なのだ。最後に、ここまでのレーサー人生を100点満点中何点か点数をつけてもらった。「60点。まだ大きなタイトルも取ってないですしね。5月にSGを走らせてもらったけどトップ選手はスピードがあって、無駄がない。差を痛感したし、まだまだです」。竹井自身が成長を止めない限り、これからもっともっと強くなるはずだ。