事前に不安を打ち消してレースに挑む
瓜生正義は、2016年の第31回SGグランプリを含む過去9回のSGを優勝している実力者だ。2019年、再び第34回グランプリの晴れ舞台を制するため、瓜生は「心の準備、ペラの準備、体の準備」を強調する。
「やることは同じです。まずペラを自分の形に叩きます。気温や気候に沿って、どう対応するか。レースに向けては気持ちの問題です。事前に不安を打ち消すことですね。大切なのは、心の準備、ペラの準備、体の準備です」
SGであれ、一般戦であれルーティンは変わらない。前検からペラの形と向き合い、レースへ向けての準備を進める。ペラ作業は起こし、行き足、乗り心地などレース前の不安をなくすのに大切なルーティンとなる。
いつも自然体で取り組む
2016年は瓜生にとって、最高の1年だった。10月に福岡でのダービーで優勝すると一気に加速する。12月のからつ周年でも優勝。その勢いに乗って参戦した年末の大一番、住之江グランプリでも優勝戦1号艇。コンマ08のスタートを決めて逃げ、初の黄金のヘルメットをゲットした。
「勝っても『やった』という感じはなかった。うまく表現ができないけど、そんな感情は生まれない人間です。SG、賞金王を取ったという感じはないです。ある意味、いつも自然体です」
実は、住之江での大一番の前に、からつで勝てたことが大きかったという。そこに大きな準備期間があった。
「住之江と同じ淡水でペラの形は近い。からつはペラ調整がうまくいきました。からつのペラが、住之江のペラのベースになりました。起こすタイミングも近い。グランプリに行ってから、ペラで迷っていては遅いです。無駄な心配をなくして行けたグランプリでした」
さらに瓜生にプラス材料となっていたのが、グランプリの過ごし方だ。グランプリで勝ち進む限り、1日に1走のみとなる。
「1日2走だと、前半の後にスタート練習などで慌てる感じがあります。グランプリのように1走だと、そこに照準を合わせて準備ができる。このスタイルが合っているような気がします」
本当は圧倒的に勝ちたい
2019年グランプリへ向けて課題は何なのか?まだ先への道のりは長い。挙げた課題は「季節」と「海水、汽水」の2つだった。
「今後は季節の変わり目との向き合うこともあると思います。ペラを対応させたいですね。後は海水、汽水でのペラ調整。淡水は大丈夫だと思うけど、それ以外は自分でも納得していない部分があります」
今は「海水、汽水」のボートレース場で、ペラを試す時間を費やしている。まず、その先には5月のSG福岡オールスターが控えている。過去、SGで3回も優勝している瓜生にとっては、地元でもあり、思い入れもある水面だ。
「福岡なので結果を残したい気持ちはあります。福岡だけでなくて他でも、本当は圧倒的に勝ちたい。強いレースを見せたいですね。それができなくても、お客さんやファンに喜んでもらえるレースをしたいです」
ルーティンの積み重ね、気候などの変化への対応さえしっかりできれば、再び年末の舞台に戻れるはず。瓜生は、そう自負している。